ファイナルファイト リベンジ

ファイナルファイト リベンジ：ベルトスクロールアクションから3D対戦格闘へ進化したシリーズ最新作

1999年7月、カプコンよりアーケードゲームとして登場した『ファイナルファイト リベンジ』は、シリーズ作品において初めての3D対戦格闘ゲームという大きな転換を遂げた作品です。それまでのシリーズ作品が横スクロールアクションゲームだったことを考えると、このジャンルの変更はシリーズファンに衝撃を与えたと言えるでしょう。そして、2000年にはセガサターンへの移植版が発売され、セガサターン最後のタイトルとして多くのユーザーに記憶されています。

物語：マッドギアの影が再び忍び寄る

本作の物語は、初代『ファイナルファイト』の直接的な続編として展開します。前作で壊滅したと思われた犯罪組織「マッドギア」ですが、その残党たちが内部抗争を繰り広げており、主人公ジェシカが再び何者かによって拉致されてしまうという事態が発生。コーディー、ハガー、ガイといったお馴染みのキャラクターたちは、それぞれの思惑を抱えつつ、マッドギアの陰謀に立ち向かうことになります。

ゲームシステム：2D格闘に軸移動要素を加えた革新的な操作性

『ファイナルファイト リベンジ』の操作性は、2D対戦格闘ゲームの基礎に、軸移動という要素を巧みに取り入れることで実現されています。プレイヤーは弱・強パンチ、弱・強キック、そして特殊攻撃を担う「Sボタン」の計5つのボタンを駆使してキャラクターを操作します。Sボタンはレバーとの組み合わせによって、サイドステップ、フロントステップ、バックステップなどの多彩な移動が可能となり、戦術的な幅を広げています。

さらに、本作の特徴として、アイテムの使用が挙げられます。最大3個まで武器アイテムをストックでき、強攻撃で武器攻撃を行うことができます。弱パンチとキックの同時押しで武器の持ち替え、強パンチとキックの同時押しで武器投げを行うなど、アイテムの使い方は多様化しています。一部キャラクターは最初から特定の武器を所持しており、その武器を使用した時のみ発動可能な特殊技も存在します。武器は一定ダメージを受けると自動的に落とされてしまうため、戦略的なアイテム管理も勝利への鍵となります。また、弾数制限のある武器は拾い直すと弾数が復活するというシステムも採用されています。

スーパーゲージを最大3本まで溜めることで、各キャラクター毎に用意された強力な超必殺技「スーパームーブ」を発動できます。このシステムは、シリーズ作品の特徴であるアイテム攻撃や体力の回復といった要素と組み合わせることで、戦略的な駆け引きを演出しています。

登場キャラクター：個性豊かな10人のファイターたち

使用可能なキャラクターは、主人公側3人とマッドギア側7人の計10人。主人公側のコーディー、ハガー、ガイはシリーズお馴染みのキャラクターですが、本作ではそれぞれの技が調整されており、特にガイは『ストリートファイター』シリーズとは異なる技を使用します。マッドギア側のキャラクターたちも個性的で、ソドムの二刀流や、ダムドの仲間呼び出しといった、シリーズファンの心を掴む演出が随所に散りばめられています。また、ポイズンは本作で初登場を果たし、新たな個性と魅力をゲームに吹き込んでいます。

コーディー、ハガー、ガイといった主人公側のキャラクターは、『ストリートファイターZERO』シリーズを彷彿とさせる動きを見せています。一方、アンドレやエディ・Eなどのマッドギア側のキャラクターは本作オリジナルのデザインと動きが特徴です。特にコーディーのエンディングは、日本版では冤罪による投獄という展開が描かれていますが、『ストリートファイターZERO3』の設定とは異なっています。

最終ボスはベルガーで、本作ではゾンビの姿で登場します。アーケード版、家庭用版ともに使用不可のCPU専用キャラクターです。

開発：日米カプコンの共同作業と開発秘話

『ファイナルファイト リベンジ』の開発は、カプコンUSAの研究開発部門の子会社であるカプコン・デジタル・スタジオ（後にカプコン・スタジオ8に改名）が担当しました。ゲームデザインは、日本のカプコンが『エイリアンVSプレデター』や『マーヴル・スーパーヒーローズ』などを手掛けた飯島哲也氏が行い、日米カプコンの共同開発体制で進められました。

元カプコン・デジタル・スタジオの開発スタッフであるジョナサン・キャスコ氏によると、日米間の共同開発は容易ではなく、言語の壁や文化の違いによるコミュニケーションの困難さを乗り越える必要があったといいます。また、別の開発スタッフであるウィリアム・アンダーソン氏によると、開発期間についても当初の予定よりも大幅に延びたとのことです。

評価：賛否両論を巻き起こした一作

セガサターン版の『ファイナルファント リベンジ』は、ゲーム誌『ファミ通』のクロスレビューにおいて、4、5、6、5の合計20点という評価を受けました。グラフィックやゲーム性に関して否定的な意見が多く、特にグラフィックの低評価が目立ちました。一方で、アイテムやスーパーコンボを駆使できる点などを評価する声もありました。総合的に見ると、賛否両論が入り混じる評価となっています。

『ファイナルファイト』シリーズを代表するタイトルの一つである『ファイナルファイト リベンジ』。その革新的なゲームシステムと、シリーズファンを魅了するキャラクターたちは、現在でも高い評価を得ています。しかしながら、その開発には多くの困難が伴ったという事実も、本作の歴史に深く刻まれています。

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